六甲ミーツ・アート芸術散歩は、神戸・六甲山上で毎年秋に開催される現代アートの芸術祭です。
2010年からこれまでに、延べ470組以上のアーティストが参加しました。
今年14回目の開催にあたり、六甲ミーツ・アート芸術散歩2023 beyondとして新しく生まれ変わります。
テーマ:表現の向こう側(にあるもの)
Beyond Representation
多様性をもつ世界との密接な繋がりから逃れられない時代を生きる私たちは、異なる価値観や文化、方法論に出会ったときにどのような態度をとることができるのかを問われています。
既存の価値観にとらわれず新しい価値観の提示や再解釈を通じて、社会との接続や共生を試みる表現者各位の作品とその先にあるものに目をむける芸術祭を目指しています。
総合ディレクター/キュレーター 高見澤 清隆
日本のみならず海外でも活躍しているアーティストの招聘などこれまで以上に招待アーティストを拡充します。
ROKKO森の音ミュージアムを拠点とし、野外アート作品エリアを新設します。
また、同エリアの一部作品を会期終了後も展示することで、会期外でもアート作品を鑑賞できる場を創出します。
徒歩で移動しながら作品を楽しむトレイルルートを設定し今まで以上に徒歩による作品鑑賞を楽しめるようにします。
ワークショップ等の参加型作品を通じて、自然の中でこどもたちが現代アートに触れられる機会を増やし次世代の文化芸術の担い手や支え手を育てていきます。
2023年8月26日(土)〜11月23日(木・祝)
※六甲山サイレンスリゾートのみ8月~10月の毎週月曜休業(月曜祝日の場合は火曜に振替休業)
10:00〜17:00
※会場により営業時間が異なります。17時以降も鑑賞できる作品があります。
高見澤 清隆
六甲山観光株式会社、阪神電気鉄道株式会社
六甲摩耶観光推進協議会
阪急阪神ホールディングス株式会社、神戸市
※2023年6月8日時点
ロゴマークの展開パターン(一部)
写真:伊丹豪/ロゴマーク:佐貫絢郁
アートディレクション:芝野健太(株式会社ライブアートブックス)
神戸は海と山の迫る東西に細長い地形、それらが緩やかに繋がっていく都市景観を持つ、他の都市にはない特徴のある街です。
メインビジュアルでは改めて足元を見つめ直し、芸術祭の舞台である六甲山、そして六甲山を含む神戸という街の魅力を再発見できればと思い制作しました。
同時に、美術の表現も鑑賞者の関わり方も多様な現代において、また会場の様々な場所に作品が点在する芸術祭というフォーマットにおいて、メインビジュアルも一つの強い主役を作るのではなく、脱中心的なものであるべきだと考えました。
写真家・伊丹豪さんによる撮り下ろし写真は、海から山まで画面に写るもの全てにピントが合ったイメージであることで、いま自分が立っている場所の手前や奥というヒエラルキーをなるべくフラットにして、六甲山を近くに、そして大きく感じられるイメージとすることを目指しました。
そしてロゴマークは、アーティスト・佐貫絢郁さんによる山のモチーフに、「beyond」という文字が登ったり降りたりしているデザインです。
それが一つではなくたくさんのパターンがあることで、人が六甲山に対して抱く様々なイメージや、地域も国籍も超えて多くのアーティストが集まり、多様な表現や来場者を許容する場である芸術祭の姿勢を表現しました。
「表現の向こう側(にあるもの)」という芸術祭のテーマを街という枠組みに広げて表現したメインビジュアルが、神戸・六甲山のことをよく知っている方もそうでない方にとっても、新鮮な姿として映れば良いなと思います。
アートディレクター 芝野 健太
神戸市は兵庫県南東部に位置する瀬戸内海に面した街です。
神戸の近代都市文化は、幕末に神戸港が開港されたことに始まります。外国人居留地の建設や阪神間の官営鉄道開通など、近代文化が醸成される環境を原動力に今日まで発展を続けてきました。
こうした都市文化だけでなく、神戸には市街地に程近くも風光明媚な山々もあり、古くから神戸市民に親しまれてきました。
神戸を代表する山・六甲山は明治時代中期、イギリス人実業家A・H・グルームらの尽力により「レジャーの山」としての一面もみせるようになりました。
山上での優雅な過ごし方は、山荘建築の名作「ヴォーリズ六甲山荘」や日本最古のゴルフ場である「神戸ゴルフ倶楽部」からも垣間見ることができます。
さらには気軽に山上へ足を運べるケーブルカーの開通、広大な自然を活かした植物園やアウトドア施設の開業を経て、今に至るまで日本有数のリゾート地として愛され続けています。