神戸六甲ミーツ・アートは、神戸・六甲山上で毎年開催される現代アートの芸術祭です。
2010年からこれまでに、延べ580組以上のアーティストが参加しました。
16回目を迎える今回は神戸を象徴する山、六甲山の自然とアートをより一層楽しみながら、豊かな時間を過ごしていただける芸術祭を目指します。
【テーマ】
環境への視座と思考
六甲山はかつて樹木など天然資源の乱用により、荒廃しました。
その後、明治期に来訪した居留外国人や多くの先人達の努力によって、現在は緑豊かな環境を取り戻し、新しい生態系も生まれつつあります。
そうした歴史をもつ六甲山で行われる芸術祭の今年のテーマは「環境への視座と思考」です。
ここでの環境とは、六甲山の自然・歴史・文化はもとより私たちの社会、世界の有り方までを含む概念です。
アートの展観を通じて、より広く多様な視点で環境を見つめ思考する契機が生まれることを望みます。
2025年8月23日(土)〜11月30日(日)
※ただし、六甲山サイレンスリゾートは8月~10月の毎週月曜および11月4日(火)は休業(月曜祝日の場合は翌火曜日に振替休業)
10:00〜17:00
※会場により一部異なります。
林直樹 / 六甲山観光株式会社 専務取締役
高見澤清隆 / インディペンデント・キュレーター
森分康彰 / 六甲山観光株式会社 取締役
芹沢高志 / P3 art and environment 統括ディレクター
雨森信 / インディペンデント・キュレーター
小山田徹 / 美術家、公立大学法人京都市立芸術大学 学長
三分一博志 / 建築家(「自然体感展望台 六甲枝垂れ」設計者)
中野仁詞 / 公益財団法人神奈川芸術文化財団 学芸員・東北芸術工科大学客員教授・京都芸術大学大学院准教授
林寿美 / インディペンデント・キュレーター
森司 / 公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京事業部事業調整課長
内藤紫都 / 六甲山観光株式会社 営業推進部係長 神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond キュレーター
山川佳乃 / 六甲山観光株式会社 営業推進部長
森下絵里 / 六甲山観光株式会社 営業推進部 課長補佐
小國陽佑 / 特定非営利活動法人 芸法
P3 art and environment
堀江紀子 / インディペンデント・キュレーター
内藤紫都 / 六甲山観光株式会社
鷲尾英玲奈 / 六甲山観光株式会社
臼井岳人 / 六甲山観光株式会社
合田昌弘 / 合同会社 r3
後藤みゆき
松田雅代
大曽根朝美 / P3 art and environment
六甲山観光株式会社、阪神電気鉄道株式会社
六甲摩耶観光推進協議会
神戸市、阪急阪神ホールディングス株式会社
※2025年4月1日時点
守ることと受け入れることからの発展
優れた眺望で知られる六甲山では、神戸港開港以来さまざまな人々や文化が行き交ってきました。守り育てられてきた豊かな山上の森にはそうした人々がもたらした歴史が積層しています。阪神間モダニズムに代表される神戸の多様な文化は、常に新しい事物に扉を開きながらも本質的な価値を見失うことなく更新されてきました。豊かな自然に恵まれた六甲山は、港町の気風を受け入れながら安らぎとふれあい、発見の山として神戸市民のみならず全ての人々へ継承されてゆかなくてはなりません。2010年にスタートした私たちの芸術祭はそうした六甲山をより多くの方々に知っていただくとともに、アートを通じて多様で豊かな感性を育み共有する場として時代に寄り添いながら成長していきます。様々なレイヤーをもつ六甲山、ぜひゆっくりと自然、文化、アートを味わってください。
総合ディレクター 高見澤清隆
神戸六甲ミーツ・アート2025 beyondでは、昨年に引き続き以下の取り組みに注力します。
幅広い視点で活動しているアーティストを国内外から60組以上招き作品を紹介します。うち、公募部門では、前例にとらわれない新しい表現を募集し、入選した約15組の作品を展示します。
2023年から四季を通じてアート作品に触れあえる野外アートゾーンの充実に取り組んできたROKKO森の音ミュージアムを芸術祭の拠点とし、隣接の六甲高山植物園と併せて多くの作品を鑑賞できるエリアとします。
散策路沿いに作品を展示するトレイルエリアでは、アート鑑賞の楽しさとともに六甲山の豊かな自然と文化の魅力を発見していただきます。
ワークショップ等を通じて自然の中でこどもたちが現代アートに触れられる機会を増やし、次世代の文化芸術の担い手や支え手を育てていきます。
神戸市は兵庫県南東部に位置する瀬戸内海に面した街です。
神戸の近代都市文化は、幕末に神戸港が開港されたことに始まります。外国人居留地の建設や阪神間の官営鉄道開通など、近代文化が醸成される環境を原動力に今日まで発展を続けてきました。
こうした都市文化だけでなく、神戸には市街地に程近くも風光明媚な山々もあり、古くから神戸市民に親しまれてきました。
神戸を代表する山・六甲山は明治時代中期、イギリス人実業家A・H・グルームらの尽力により「レジャーの山」としての一面もみせるようになりました。
山上での優雅な過ごし方は、山荘建築の名作「ヴォーリズ六甲山荘」や日本最古のゴルフ場である「神戸ゴルフ倶楽部」からも垣間見ることができます。
さらには気軽に山上へ足を運べるケーブルカーの開通、広大な自然を活かした植物園やアウトドア施設の開業を経て、今に至るまで日本有数のリゾート地として愛され続けています。