作品

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独り立ち 逃げたくても、逃げられやしない

展示施設 : 六甲ガーデンテラスエリア

西野達

アーティストコメント

「独り立ち」 "Standing on my own" 道路の脇に立つ街灯は、20メートルおきに立っていて夜になれば発光までするというのに、取り立てて人々から意識され感謝されることはない。その上、用済みになり撤去されるまでその場所に永遠と立ち続けなければならない虐げられた存在である。 私は奴隷のように従順なこの街灯を、位置をほんの少しずらすことだけで真逆の性質を持たせる。交通を邪魔し自己主張する街灯の出現は、人々の固定観念を揺さぶることになるだろう。 「逃げたくても、逃げられやしない」 " Even if I want to run away, I can't" 横断歩道の縞模様はアスファルトに塗装され動くことはない。不動の横断歩道を俊足のシマウマに仕立て上げ、真逆の事柄を一つの場に提示することで笑いと共に観客の常識に揺さぶりをかける。同時に、人間になつくことがないシマウマを一つの自然の象徴とみなし、人間の侵食から逃れられない自然界をも表現する。押し寄せる人間に陵辱される自然は、ただそこに立ちすくむしかない。

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