作品

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Embodiment of Banality(ありきたりさの現れ)

展示施設 : ミュージアムエリア 六甲高山植物園

Winter/Hoerbelt(ヴィンター/ホルベルト)

アーティストコメント

《Voliere (ヴォリエーレ, 鳥小屋, 大きな鳥籠のような構造体) 》 「Voliere ヴォリエーレ」はインスピレーションを得るための休憩所、ヨーロッパの歴史的・装飾的建造物にちなんだ庭園に設置される遊び心にあふれた中に入ることができるインスタレーションです。 格子構造によって、集中した認識の空間が作り出されます。そこでは、フィルターを通して新しいフレームに入っていくかのように、音や植物、人間が意識的に知覚されるのです。 《Der Laubbläser (ブロワー) 》 ブロワーは、芝生や歩道、テラスなどの表面にたまった葉っぱや枝、草などのゴミを強力な空気で吹き飛ばすためのガーデニング用具です。この彫刻は、現代的な目的合理性の形象として、孤立し、騒がしく、機械で武装した存在を表しています。かつて、コンスタンティン・ムーニエといった画家による「働く人間」の表現に威厳や深みが見られたのとは対照的に、この作品の中心にあるのは意味や関係性の喪失です。もはや自らとも世界とも、対話することのない凡庸さの象徴です。 中に入って休憩するように誘いかけるパビリオン「Voliere ヴォリエーレ」、そして具象彫刻「Der Laubbläser ブロワー」。この二つの作品は、対照的な生き方のそれぞれの側面を示唆しています。一方は、パビリオンの中の穏やかで瞑想的なひとときとブランコで味わう光と空気の感覚的経験。そしてもう一方は、現代的な生活環境の中で最適化された機能性の象徴、騒々しい機械で武装した労働者を表しています。

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