本芸術祭では、社会問題の解決にアートを通じて取り組む現代美術家、渡辺篤の作品を関西で初めて出展します。
渡辺氏は自身の深刻なひきこもり経験を起点に、生きづらさを抱える当事者と共同するプロジェクトを行う社会活動家でもあります。
渡辺 篤(アイムヒア プロジェクト) アーティストプロフィール
代表的なプロジェクト
・「アイムヒア プロジェクト」 2018年
ひきこもり当事者たちが自ら撮影した部屋の写真を全国募集し、写真集を制作。海外メディアからも大きな反響があった。
・プロジェクト「同じ月を見た日」 2020~2024年
コロナ禍に孤独・孤立を感じる国内外の人々に、スマホに取り付ける小型望遠鏡を贈り、各自の居場所からの月の写真を送ってもらった。姿が見えない他者の存在にまなざしを向けるアートプロジェクト。全ての人が孤立当事者となったコロナ禍にスタートし、本芸術祭での展示を一区切りとし活動を終える。
・プロジェクト「あなたの傷を教えて下さい。」 2016年~
右上の写真の作品は、トラウマにまつわるストーリーを匿名募集し、制作された。コンクリート板に書き込み砕かれたものに金継ぎを施し再度つなぎ合わせることで作品とする。ここに居ない誰かの生きづらさにまなざしを向けるものである。
出展作品
・月はまた昇る(プロジェクト「同じ月を見た日」より)
プロジェクト「同じ月を見た日」で集まった月の写真を用いた映像作品を、大阪湾を囲むように広がる夜景を背景に、直径330㎝の円形スクリーンに投影します。幻想的な外観を持ちながらも、社会からの孤立という誰にでも起り得る課題を提示する切実な作品です。
※展示場所:ケーブルエリア(天覧台/標高737mに位置する展望スポット)
※鑑賞時間:日没の30分後~21:00
※荒天時は鑑賞できません。
・「同じ月を見た日の、あなたの傷を教えて下さい。」
プロジェクト「同じ月を見た日」と「あなたの傷を教えて下さい。」から生まれた作品を、ミックス・再構成します。プロジェクト「同じ月を見た日」で集まった1000枚を超える月の写真を時系列に配置した、ライトボックスなどを展示します。この作品は、コロナ禍に作者の元に届いた、多くの人々の写真やメッセージを用いて制作されています。
※展示場所:風の教会エリア(六甲山芸術センター) ※鑑賞時間:10:00~16:50(受付終了16:30)
アーティストトーク
渡辺篤が、今回の出展作品やプロジェクト・活動にまつわる裏話をお話します。来場者からの質問やご意見なども伺います。
開催日時・場所
8月24日(土)・25日(日) 14:00〜14:30 場所: 風の教会エリア(六甲山芸術センター5F)
8月27日(火)・28日(水) 19:00〜19:30 場所: 天覧台
【備考】予約不要・参加無料
※風の教会エリア(六甲山芸術センター)は有料会場のため、参加には鑑賞パスポートもしくは会場単館券が必要です。
※荒天等で中止の場合は、公式サイトでお知らせします。
※混雑時は人数制限をさせていただきます。